ロビの代替バッテリー調査その2
2024年4月27日
4月28日改訂
5月12日改訂


 デアゴスティーニよりロビ関連の商品の販売終了の通知ハガキお知らせが来ました。



   パーツで販売されていたバッテリーですが既にロビ1用ロビ2用共に在庫がなくなったようで入手できなくなっています。

 この事態を予想して以前ロビの代替バッテリー調査を行っています。
 既に2年経っていますので入手できない商品もあり違うタイプのバッテリーを今回入手して調査しました。

 以前の調査では3.7Vのリチュームバッテリー2個を直列でつないでロビのバッテリーとして使用しました。
 今回はデジタルカメラ用のバッテリーパックがロビのバッテリーとして使えないか調査しました。


ロビのバッテリーの代替品

 今回こちらの商品を購入しました。
 前回と同じ条件で選択しました
  1.電圧をロビの物と近い値にできる
  2.ロビの収納部分に納まる
  3.充電容量がロビの近いかそれ以上
  4.価格がロビのバッテリー以下

 ロビのバッテリー
  電圧 7.4V
  容量 800mAh(5.92Wh)
  寸法 42mm/32mm/16mm(実測)
  重量 39g(実測)
  価格 1870円

 代替品(ROWA JAPAN)
  電圧 7.2V
  容量 940mAh(6.8Wh)
  寸法 41.9mm/36.9mm/14.3mm(商品データ)
  重量 40g(実測)
  価格 1198円(部品代含まず)

 以前の調査の代替品はリチュームポリマーバッテリーでしたが今回はロビと同じリチュームイオンバッテリーです。
 代替バッテリーを採用する際に考慮しなければいけないのは発火事故などに対する安全性ですが2019年以降PSEマークの表示が義務付けられています。
 PSEマークのないものは購入できないのですが本商品はこの表示がある事を確認しています。
 PSEマークについては
こちらを参照してください。

 同じタイプのもので2個セットが販売されているようです。
 こちらだと1個あたり990円となります。

 なおこれらの商品はロワジャパンといデジタルカメラなどの互換バッテリーのメーカーが販売しているもので純正の物も使用できると思います。
 ただし純正の物は販売価格が7,498円(アマゾン)と高価なので調査対象から外しています。


代替品の実装

 今回の代替品はデジタルカメラ専用で直接カメラに装着するもので電源をロビにつなぐためにリード線を装着する必要があります。
 最初はデジタルカメラと同じように金属片を接点にして電源を取り出そうしましたが加工が複雑で接触不良になる可能性があるので直接リード線をハンダ付けする事にしました。



 今回の代替品は端子が4つ付いていますが使用するのは電源の+と−の2つのみです。
 電源の+は一番内側(赤矢印)、電源の−は一番外側(白矢印)でハンダが付きやすいようにドライバーでキズを付けておきました。
 また可能ならフラックス(はんだ付け促進剤)を塗っておいてください。

 リード線は前回と同様不要になったロビのバッテリーのコネクターを切断してハンダ付けをました。
 圧着できる方は以下のパーツでコネクターを作成する事ができます。
 PAコネクタ ハウジング
 PAコネクタ コンタクト

 絶縁テープでリード線を固定して完成です。



 代替品の奥行きのサイズが36.9mmと大きいのでロビ2の場合、Bluetooth基板の厚みがあると収まらないのでBluetooth基板を外してバッテリーと干渉しないように位置をずらしました。(ボディとの固定はしていません)



 ギリギリロビのボディに納まりました。
 裏蓋もちゃんも閉じる事ができました。


動作テスト

 ロビのバッテリーと代替品のそれぞれの電圧を計ってみます。



 左がロビのバッテリーで右が代替品でそれぞれ負荷がかかっていない状態です。

 充電はロビ1の充電アダプタやロビ2の充電椅子で充電する事ができます。
 ロビ1の充電アダプタで充電した場合フル充電にはならず充電終了(充電器のLEDが赤から緑)直後に認識語「バッテリー大丈夫?」で確認すると「そろそろ充電して欲しい」と答え充電不足という事になります。
 この状態でバッテリーをロビ2に繋いでロビ2の充電椅子で充電するとフル充電する事ができました。

 (この件に関しては追記事項を参照してください)

 実際の稼働時間を稼働計測用のプログラムで試してみました。
 ロビ音頭は29回踊らせる事ができました。
 稼働時間は50分35秒でした。
 なお以前行った調査ではロビ標準のバッテリー(新品)はロビ音頭が26回で稼働時間が46分位だったので容量の分少し長くなりました。。

 稼働計測用のプログラムはロビ音頭を連続して行うもので回数と計測プログラム開始時刻と停止した時刻をログファイルに書き込むもので以下のリンクからダウンロードできます。
 実行方法等は含まれるReadMe.txtを参照してください。
 kadou_test.zip



 今回調査した代替品はロビ1の充電アダプタでフル充電できないという問題がありますがそれ以外はロビのバッテリーに対して同等の結果が得られました。
 ただしロビのバッテリーコネクターをハンダ付けしないといけないといったちょっとハードルは高くなりますが今回調査した代替品が十分使えると思います。

 なお今回のような事をご自分でやられる場合は必ず自己責任で行ってください。
 バッテリーの事故は火災などを引き起こす場合があります。
 特に充電する場合は必ず監視しながら行って何か異常があったら直ぐに充電を止めてください。



 ロビ1の充電椅子で充電するとフル充電にならない件について調べてみました。
 ロビ1の充電椅子で充電した状態でロビ1に認識語「バッテリー大丈夫?」で確認すると「そろそろ充電して欲しい」と答えたので充電不足だと思いました。
 しかしこのバッテリーをロビ2に接続してロビ2に認識語「バッテリー大丈夫?」で確認すると「まだまだ元気」と答えました。
 そこでこのロビ2で稼働計測用のプログラムで試してみました。
 ロビ音頭は27回踊らせる事ができました。
 稼働時間は47分6秒でした。
 ロビ2の充電椅子で充電した測定のロビ音頭29回、稼働時間50分35秒には少し劣りますが実用上問題ないと思われます。
 ロビ1の充電アダプタでの充電時間と充電後の電圧は以下の通りです。



 今回のバッテリーがロビ1の充電椅子でも充電する事ができる事が確認できました。
 ただし電圧が標準のものより低いのでロビ1では「バッテリー大丈夫?」で確認すると低電圧の答えが返ってきます。

 今回の代替バッテリーに対して電圧確認がロビ1でロビ2で回答が違う件について調べてみました。
 ロビの電源電圧はロビ1ロビ2共にマイコンボードのメモリ0x0090の値で監視されています。
 この値は1.0Vを310の整数で表しています。(7.0V=2170)
 バッテリー大丈夫?で動くプログラムで低電圧のしきい値はロビ1のプログラムでは2200(7.10V)でロビ2のプログラムでは2300(7.42V)てす。
 なおこの値はロビ1では直接プログラムに書かれていますがロピ2ではVBATALART_H.BINというファイルに書かれています。

 今回の代替バッテリーに対してロビ1の方がしきい値が低いも関わらず低電圧とみなされてしまいます。
 0x0090(現在の電圧)の値をログファイルに書き込んで調べてみました。
 まずロビ純正バッテリーをフル充電した状態でロビ1で調べると2312(7.46V)でした。
 次に今回の代替バッテリーをフル充電した状態でロビ1で調べると2172(7.01V)でした。

 このバッテリーをロビ2に接続してロビ2で調べると2484(8.01V)でした。
 ロビ1とロビ2のマイコンボードで違った値が返されるようです。
 仕様(V当たりの数値)が変わったのかと思いファームでの電圧警告(充電して)の値を調べるとロビ1とロビ2共に1870(6.03V)と同じでした。
 なぜロビ1とロビ2で違った値が返されるか分かりませんがロビ1の方が低い値が返されて低電圧とみなされるようてです。

 今回作った電圧書込みプログラムを一応アップしておきます。(テストなんだ等に割付けてください)
 volt_test.zip


追加調査
2024年5月4日

 別のバッテリーを購入して調査してみました。
 今回は専用充電器が付いているもので充電器についても調査しました。
  電圧 7.4V
  容量 1500mAh(11.1Wh)
  寸法 41.9mm/36.9mm/14.3mm(ROWA JAPANの商品データより)
  重量 40g(実測)
  価格 2399円(バッテリー2個+専用充電器、部品代含まず)

 前回調査したものと同じDMW-BLE9/BLG10の互換バッテリーでサイズは同じです。
 電圧はロビの純正バッテリーと同じ7.4Vで容量は1500mAhです。
 前述のPSEマークについては本商品はこの表示がある事を確認しています。
 前回はROWA JAPANというメーカーの日本製ですが今回は中国のメーカーの物になります。
 以前の調査では全て中国製のバッテリーについて調べたのですがどれも実際の容量は商品データの容量ほどのものはありませんでした。
 今回も多少期待したのですが残念ながらそれほどの容量はありませんでした。



 前回と同じ方法で実装します。
 右の写真はフル充電後の負荷がかかっていない状態の電圧です。

 実際の稼働時間を稼働計測用のプログラムで試してみました。
 ロビ音頭は23回踊らせる事ができました。
 稼働時間は40分07秒でした。
 前回調査したROWA JAPANのものは940mAhで29回踊れたのに対して今回のは1500mAh(商品データ)で23回でした。

 専用充電器とバッテリーの接続はロビの充電ケーブルにワニ口クリップを付けたものを作成してロビ1を介して充電しました。



 専用充電器は5VでUSB電源やパソコンのタイプCのケーブルでUSBと接続します。
 なおUSB電源は製品には含まれません。

 LEDパネルで充電状態を示します。
 バッテリーを接続するとパネルが点灯してバッテリーの充電量に応じて4段階で表示されます。
 充電中は未充電の部分のインジケーターがブリンクします。
 充電が完了するとLEDパネルは消灯します。

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